雄太のミュージック日記

60秒で心が整うクラシック。 しばらくは、少しゆっくりとした歩調で綴っていきます。 日々の波の合間に、静かな音の物語を置いていきます。

作曲家不詳:『別れのカチュア』|遠い旅路と力強いダンス音楽

ペルー北部の旅路駆け足4回シリーズ最終回。もともと予定に組んでいなかったお題でした。
きっかけは、5月3日コンセルトヘボウ・リサイタルホールでの演奏会です。
歴史的な南米ルーツの音楽や、静かに情熱をたたえたリズムを聴けるチャンスだからです。
オランダでは南米音楽が「日常的に楽しめる」レベルで根付いていますが、今回は街中のダンスナイトではなく、18世紀ペルーの古い響きに耳を傾けます。

https://www.youtube.com/watch?v=X7CLstxcjt4

↑ 新しいタブで開いて、なかなか出かけるのが大変な場所への誘いのとき。音が出ます!

イヤホン推奨ですが、音なしでも本文の物語を楽しめます♪

作曲家不詳:『別れのカチュア』 トルヒーリョ写本より
Anonymous: Codex Trujillo del Perú – Cachua La Despedida, de Guamachuco

この動画は信頼できるソースからご紹介しています。非営利の癒しブログです。著作権は演奏者・レーベルに帰属します。心穏やかな時間として、どうぞお楽しみください♪

©|Huamachuco(ワマチュコ)は、ペルー北部アンデス山地にある高地の町。古い祭礼や踊りが今も受け継がれ、乾いた高原の風景とともに独自の文化が息づいています。

日本語歌詞(意訳)                               現代スペイン語表記
青銅でできているはずだ、                    De bronce debo de ser,
ダイヤモンドかルビーか、                    de diamante o de rubí,
それとも死が私を恐れるのか、             o a mí me teme la muerte,
それとも私には死などないのか。         o no hay muerte para mí.

別れの場面で歌われるこの言葉には、自分の存在を誇るような強さが漂っています。
静かな別れというより、運命に向かって立ち上がるような気配があり、古いアンデス世界の物語を思わせてくれます。
死や試練に対して揺るがない意志——そんな力強い精神が、輪になって踊るカチュア(cachua)の荘厳なリズムと響き合うのです。

©|「ペルー北部・ワマチュコの中央広場で行われる夜の祭礼(または祝祭)の風景」

今回の音楽旅の締めくくりに、この『別れのカチュア』を選びました。
ペルー北部アンデスの高地で、今も古い輪舞が受け継がれる町。
遠い旅路の乾いた風景と、力強いダンス音楽が静かに重なり合うように——このシリーズを終えたいと思います。